KBFでは草本系バイオマスのマテリアル利用の一環として、ススキの建材(断熱材)としての利用を試みました。経済産業省の環境コミュニティビジネスモデル事業の補助を受けて、平成17年11月よりススキのブロックを使ったストローベイルハウス作りのワークショップを計14回開催し、平成18年10月に完成しました。
ストローベイルハウスとは?
ストローベイルハウスとは壁部分がわらで作られた建築物のことです。壁の表面に粘土などを塗って耐火被覆とし、さらに漆喰などの材料を塗ることで耐水性の仕上がりとなります。壁の厚みが40~50センチもあるため、断熱効果と遮音効果が高いのが特徴です。また、基礎、床、屋根などの部分は一般建築に準ずる強度を持たせています。ススキだけでなく、使用している建築材のほぼすべてが大地に還元される環境にやさしい家作りとして注目されています。
作業工程
作業の様子
1.基礎作り
基礎作りでは、ベイルの幅と基礎の幅を統一するため、一般的な150ミリよりも広げて500ミリの幅にしています。ドア周辺部を防水のため、ビニールを敷き込み、基礎部にはリモナイト(阿蘇の黄土)をまいて虫除けにします。ベイルを積む前に湿気を減らすための珪藻土を基礎全面に敷き込みました。
2.ベイル積み
基礎に突き出た鉄筋にベイルを3段差し込み、壁面を揃え表面をならして、上から踏み込んで固定し、ベイルの壁を作りました。
ベイルを高く積み上げると揺れが大きくなり、不安定になるので、ベイルを垂直に固定する杭に鉄筋を配筋し、木軸や土台に固定した竹に直結しました。
3.土壁塗り
土壁塗りは3段階に分けて行いました。
まず、野草の繊維を土と共に3ヶ月程寝かせた荒壁用土で下塗りを行いました。
その後、2ヶ月程乾燥させて、中塗りをしました。
4.仕上げ
中塗の後、仕上げにリモナイトを使い、漆喰で模様を付けて完成しました!
「阿蘇白水温泉・瑠璃」に隣接した展望台横に建っています。是非、一度見学に来て下さい。