事業概要
草の多目的利用

草から堆肥を作る

野草堆肥とは?
野草堆肥とは、昔から行われている伝統的な農耕技術を応用したもので、野草を原料として作られた堆肥のことを言います。ここでいう野草とは、主に草原に生えているススキのことです。

利用方法
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野草のチカラ
野草堆肥を使うと、味がよくなる、土が変わる、肥料の効果が高くなる、草原保全につながる等の効果があります。

●土が変わる
 堆肥を土に混ぜると、土に小さな粒々がたくさんできます。この状態を団粒構造と言います。団粒構造になると排水性、保水性、通気性がよくなります。
これらの条件が向上することでスポンジのようにフカフカの土ができるので、作物はたっぷりと栄養を吸収できるようになり、より元気に育つことができるようになります。
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●おいしくなるgraph.gif

●草原を守る
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野草堆肥の作り方

野草のみで作る堆肥
 野草に水をかけてシートで覆い、3ヶ月置きます。その後切り返し(※)を行い、水をかけて水分調節をし、1ヶ月置きます。この工程を3ヶ月以上かけて数回繰り返したら出来上がります。

※切り返しとは、堆肥を発酵の途中でかき混ぜ、底の方にあった部分をすくって、上にひっくり返すなどして、空気に触れさせること。

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野草と牛ふん肥で作る堆肥
 牛ふん尿、元肥、野草を順番に重ねていき、サンドイッチ状に積み重ねていきます。この状態で2~3週間置いておき、その後切り返しを行いながら、水分調節のために水をかけます。この工程を2~3週間おきに2回行い、約3ヶ月で出来上がります。

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よい野草堆肥を作るポイント
空気
堆肥中の空気の通りをよくするために、籾殻や野草を加えたり、切り返しをしすることが重要です。堆肥中の酸素が足りなくなると、空気を嫌う微生物の働きが活発になり、植物が育ちにくくなる物質ができて、よい堆肥ができにくくなります。

水分
野草堆肥の水分は約60%が最適とされています。重量比に換算すると牛ふん1に対し野草0.5(約半分)が適当とされています。水分が少ない場合は、水をかけて調節するのはそのためです。

C/N比
C/N比とは炭素量とも言い、堆肥の中に入っている炭素を窒素で割った割合のことです。これらは作物が元気に育つ栄養素で、微生物が元気に活動できる堆肥のC/N比は20~30が適とされています。

堆肥の使い方
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 生産者の方は野草堆肥をトマト、スイートコーン、キュウリ、ジャガイモ、花、サクランボ、リンゴ、ブルーベリー等さまざまな作物の栽培に利用しています。中でもブロッコリーは化学肥料を使わずに生産されている事例も報告されてます。

 野草堆肥を利用することによって、野菜の味がよくなると言われていますが、科学的な根拠がありませんでした。そこでKBFでは、野草の利用促進のために、肥料の違いによる生育の差異を比較調査しました。その結果、おいしくなる事が科学的に立証されつつあります。野草堆肥を利用することは、おいしいというだけでなく、草原の保全につながることをKBFでは発信していきます。


このページは環境省・九州地方環境事務所が作成した野草堆肥利用マニュアルから抜粋し、引用しています。


野草堆肥利用マニュアル(完全版)は環境省のサイトよりダウンロードできます。

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